あらすじ
地方の町で、景司という男が始めた奇妙な集まりがあった。その名も「借金もぐれの会」。借金を抱えた者が金曜日の夜に公民館へ集まり、ただ酒もなく借金の話をするだけの会である。代表の景司自身も借金を抱える男で、説教も指導もない。ただ互いの失敗や悩みを笑いながら語り合う。やがてその場には銀行員、商店主、教師など様々な人が加わり、借金の重さに押しつぶされそうな人々の心のよりどころになっていく。ある日、夜逃げ寸前の家族を救った出来事から会の存在は町に知られ、さらに商店街全体の巨額の借金問題まで持ち込まれることになる。景司たちは知恵と人情で再建の道を探り、少しずつ町に活気が戻ってくる。借金という人生の重荷を背負いながらも、人は助け合って生きていくことができる。静かな町を舞台に、人生の「借り」と「返し」を描く人情物語。