あらすじ
魔法が体系化された合理社会――エルドリウム王国。
アルカナム大魔導研究院に所属する研究者リリア・ヴァルグレインは、
誰よりも魔法を愛し、理論を追い求める天才だった。
そんな彼女を、少し離れた場所から見守る男――ルイ・ベルナール。
無名ながら卓越した才を持つ彼は、彼女の幼馴染であり、
そして――ずっと想いを告げられないままの存在だった。
ある日、深淵理論魔導研究所の研究員フェリックス・カルヴェリオが現れる。
彼の提示する“完全な合理性”は、リリアの心を静かに侵食していく。
それは命令ではない。支配でもない。
“自分の意思で選んだ”と思わせる、最も厄介な魔法――魅了。
やがてリリアは「迷いのない最適解」を選び、
ルイを遠ざけていく。
理屈では救えない。証明もできない。
それでも――
「それでも俺は、お前を止める」
唯一の対抗手段は、“本物の感情”。
合理と感情が衝突する中、
最後に彼女が選ぶのは――正しさか、それとも。
これは、すれ違い続けた二人が、
ようやく同じ未来を選ぶまでの物語。