あらすじ

人は、終わった恋をどこまで引きずるものなんだろう。 三ヶ月。 たったそれだけの時間だった。 長い人生の中で見れば、一瞬みたいなもの。 思い出にするには、ちょうどいい長さのはずだった。 ——なのに。 どうして、あの人だけは違ったんだろう。 「……めんどくせえな」 あの時、彼はそう言った。 きっと、深い意味なんてなかった。 余裕がなくて、どうしていいか分からなくて、 ただ、口からこぼれただけの言葉。 でも—— たった一言で、終わることもある。 ちゃんと終わらせる勇気も、 引き止める強さもなくて。 気づいたら、離れていた。 それが、私たちの恋だった。 それから数年。 私は、何事もなかったように日常を過ごしていた。 仕事をして、笑って、 それなりにうまくやっているつもりだった。 「過去の恋」なんて、いくらでもある。 その一つに過ぎないはずだった。 なのに。 忘れたはずの名前を見た瞬間—— 全部、戻ってきた。 声も、表情も、空気も。 そして、あの時言えなかった言葉まで。 「まだ、終わってねえ気がする」 再会した彼は、そう言った。 ずるいと思った。 終わらせたのは、そっちなのに。 何も言わずに離れたのは、そっちなのに。 それでも—— その一言で、揺れてしまう自分がいた。 終わったはずの三ヶ月。 でも本当は、終わっていなかった。 ただ、途中で止まっていただけ。 あの時、言えなかったこと。 伝えられなかった気持ち。 向き合わなかった時間。 その全部の“続き”が、今になって動き出す。 これは—— ちゃんと終われなかった二人が、 もう一度、同じ場所に立ってしまった話。 そして、 今度こそ終わらせるのか、 それとも、続きを選ぶのか。 その答えを探すための、恋の話。

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カクヨム
カクヨム2026/03/21
  • 現在の作品あの三ヶ月の続きを、今。