あらすじ

病室で終わるはずだった人生は、気づけば北境の要塞で続いていた。 名前も持たず拾われた少女――セラフィナ。 彼女を保護したのは、無表情で冷徹と恐れられる騎士団長ヴァイスだった。 けれどその男は、誰よりも丁寧に彼女を扱い、 誰よりも確実に「安全な場所」を与えてくる。 歩くことも、笑うことも、誰かと食事をすることも。 当たり前だったはずのすべてを、ひとつずつ取り戻していく日々。 しかしそこは、戦場の最前線。 石壁の外では、いつも命のやり取りが続いている。 守られているだけでいい――はずだった。 そうしていれば、もう傷つかずに済むはずだった。 それでも。 朝の鐘の音も、厨房の匂いも、 不器用に笑う人たちも、無口な団長の背中も。 この場所で知ってしまった“あたりまえ”を、失いたくないと思ってしまった。 だから少女は、初めて願う。 ただ生きるためではなく、 この場所を守るために。

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カクヨム
カクヨム2026/03/21
  • 現在の作品砦に拾われた私と、無表情な騎士団長の優しすぎる庇護