あらすじ
真鍋優、27歳。
ブラック不動産会社で点検と修繕を押し付けられ、事故の責任まで背負わされた末に解雇された男だ。
覚醒スキルは『設備点検』――建物や道具の劣化、破損、故障予兆を視るだけのハズレ扱いの能力。
だが、帰宅したボロアパートの玄関前にダンジョンゲートが出現した日、彼の人生は一変する。
優の目には、モンスターより先に、崩落寸前の通路、作動しかけた罠、壊れた魔力回路、隠された安全地帯が見えていたのだ。
試しに203号室を修繕し、探索者のための休憩所にしたところ、そこはなぜか“使った者の帰還率が異常に高い拠点”になる。
最初は命知らずの底辺探索者しか来なかった。
けれど、救助配信で噂が広まるにつれ、A級探索者も人気配信者も、大手ギルドも、優の拠点を使いたがるようになる。
しかし、優の力は“安全”を作るだけでは終わらなかった。
ダンジョンの欠陥は、事故だけでなく、誰かが隠した不正や、都市そのものを壊す致命的な異変にも繋がっていて――。
戦闘力は低い。
だが、壊れた現場を直せる男は、ダンジョン時代の命綱になる。