あらすじ
“聖女”ーーー神の血を引くものが稀に目覚める光の力。
数百年に一人程の逸材。
神に祝福を受け、愛した国を照らす存在。
私、セイラは、その聖女だった。
聖女は国の財産であり、宝。
本来なら大切にされ、敬われるべき存在。
ーーーけれど、私の父は国に知らせなかった。
その理由は誰も知らない。
父は私を領地の端の塔に閉じ込めた。
私は、そんな環境でも、元気に育った。
けれども一度も塔から出たことのない私は、当然外のことなどほとんど知らない。
塔、そして窓から見える景色が、私の世界だった。
格子のはられた窓から見える景色は、ずっと私を魅了していた。
ーーーそれと同時に、私を縛り付ける枷でもあった。
外に出たい。外をもっと見たい。
何時からか、私はそう、考えるようになっていった。
そんなある日、私は塔の地下室への扉を見つける。
中から聞こえてくる声に誘われて、その扉を開く。
そこには、牢に入った、私とそっくりの少女がいた。
足に重そうな枷を嵌めた少女は不思議そうに、
じっと私を見つめていたーー。
これは、塔に閉じ込められた私と、
檻の中の少女の光と呪いの不思議なお話。