あらすじ
2040年代前半、新型感染症の流行が始まる日本。変異が早くワクチンの効果が限定的であるウィルスに対し、母乳由来のsIgAを活用し、感染防御や予防薬開発を目指す国家計画「Project Lacta」が始動する。ラクト・セラムに勤める石井彩佳は、協力先ガイア製薬の試験運用に出向するが、そこで待っていたのは成果を優先するあまり安全性を欠いた試験だった。試験中の急変から生還した彩佳は、後遺的な不調と向き合いながら、告発の進行、母との再会、支えてくれる人々との関係を通して、「助ける」とは何かを問い直していく。救われた命と許されない犠牲、その両方を抱えた先で、生き直すための物語。