あらすじ

五年間尽くした婚約者に「君は相応しくない」と捨てられた。 後ろ盾を失い、遠縁の屋敷で肩身の狭い居候生活を送るリーネには、誰にも話していない秘密がある。毎晩、同じ食卓の夢を見ること。向かいの席には顔の見えない誰かが座っていて、声だけが関係を重ねていく。もう半年になる。 押しつけられた領主会議の代理出席で辺境を訪れた日、聞き覚えのある声がリーネの足を止めた。十二年間その声を探し続けていたという辺境伯から、契約結婚を持ちかけられる。 辺境伯の食卓に座るたび、夢との一致が増えていく。茶の好みを翌朝には覚えている不器用な夫。言葉にできない代わりに行動で示す人。安心してしまう自分が怖い。夢の幸福を現実に持ち込めば、壊れるかもしれないから。 リーネが去った侯爵家では帳簿が混乱し、貴族院から是正勧告が届いたという噂が流れ始めていた。 夢の中の彼と現実の彼が同じ人だと分かったとき、この食卓はどうなるのだろう。

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小説を読もう2026/03/21
  • 現在の作品契約結婚の相手と夢で先に恋をしていました