あらすじ
花に満ちた後宮には、四季を司る四人の妃がいる。
春・夏・秋・冬――彼女たちは寵愛を競う后妃ではなく、国の季節を守るために選ばれた巫女妃である。
その代償は、誰か一人を強く想ってはならないということ。
ひとたび恋をすれば、その季節は国のものではなく、たった一人のためのものへと変わってしまうから。
新米女官・ヒサギが仕えることになったのは、春を司る春妃・桜麗。
いつも穏やかに微笑む彼女は、まるで何ひとつ望んでいないように見えた。
だが帝の訪れを境に、桜妃の心に小さな春が芽吹き始める。
その想いはやがて、咲き続ける花、訪れぬ夏、乱れる四季となって国を揺らし、同時に、他の三妃が胸の奥に封じてきた願いまでも暴き出していく。
その禁じられた恋が、四季の妃たちの運命と、後宮のあり方そのものを変えていく――。