あらすじ
とある火葬場。煙突から、白い煙が細く空へと昇っていく。焼却炉の余熱がまだ残っており、建物の中にはじんわりとした熱気と、かすかな湿気がこもっていた。
金属の台の上には灰にまみれた白い骨片が置かれている。
箸を手にした若い職員が骨の一片をつまみ上げた。目の前に掲げ、まじまじと見つめる。そして、そっと喪服姿の男の前へと置き、首を傾げた。
「これは……喉仏ですかね?」
「え……? いや、こっちに聞かれても。そういうのって、そちらが説明してくれるものじゃないんですか?」
「そうっすよね……うーん……じゃあ、喉仏ということで。いや、こっちが……いや、やっぱりこっちかな……うーん、はい、喉仏です」
「いや、全然説得力ないんですけど」