あらすじ

国境線が、たった二キロずれていた。 そのせいで、川も市場町も、四万人の暮らしも、百三十年ずっと「隣国のもの」になっていた――。 西アフリカの領土紛争をめぐり、国際司法裁判所に立つ女性法学者アミナ。彼女が見つけたのは、植民地時代の測量日誌に残された小さな誤差だった。地球を「球体」として近似した計算が、すべてを東へ、東へとずらしていたのだ。 だが、正しい座標を示せば勝てるわけではない。 その境界線の上には、すでに学校があり、市場があり、人々の生活がある。 さらに日誌には、線をわずかに動かし、市場の分断を避けたらしい無名のガイド「F.」の痕跡が残されていた。 数学的な正しさと、百三十年積み重なった生活。 どちらを選んでも、何かが裂ける。 地図の歪みと法の歪みを問う、知的法廷短編。

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小説を読もう2026/03/21
  • 現在の作品歪んだ子午線