あらすじ
明治期の横浜で自動車の輸入販売業を成功させたフランス人、ルネ・ティスルは、やがて当時避暑地として外国人に人気だった軽井沢にも自分の会社の支社を持つ。軽井沢での事業は失敗に終わるが、現地での暮らしが気に入った彼は定住するようになり、当時彼が暮らした邸宅は現在もティスル邸として残っている。
一方でルネ・ティスルは稀覯本の蒐集家だったという。彼が集めた書物は後を引き継いだ人物によって他者に開放され、ティスル文庫の蔵書として読み継がれている。
彼の集めた蔵書の多くには特徴がある。それは、魔術師と呼ばれる人々によって重宝され、彼らが魔術を使う時の助けとなることである。
第1話:小説家の細木路雄は旧軽井沢を訪れた時、緋色の鳩によって森の奥へ導かれる。そこで出会った少女に、何か悩みはないかと訊かれるが――。
第2話:ティスル邸を訪れた間部四季は、リムセと共に魔術を行っている時カラドリオスを目撃する。病を治す力を持つ鳥を追いかけた先には――。
第3話:避暑にやってきた黛在子は、雨の道中でずぶ濡れの青年と出会う。彼のために雨避けの魔術をかけようとしたが――。