あらすじ
天才画家・笠原信二郎が遺した幻の最高傑作『白樺の少女』。
そのモデルを務めた娘・千鶴(35)は、母からの「売女(ばいた)」という呪いの言葉に縛られ、感情を殺して生きていた。
ある日、彼女の前に信二郎と全く同じタッチで絵を描く青年・修平(23)が現れる。
「あの絵は、俺の家にあったんだ――いつか、取り返してあげる」
贋作を描く道具として育てられた修平にとって、壁の中の『白樺の少女』だけが唯一の希望だった。
キャンバスの中の「偶像」と、目の前の「生身の女」。修平は千鶴のすべてを独占するため、静かに、そして激しく彼女を狂わせていく。
血の呪縛、周囲の嫉妬、そして芸術という名の狂気。
『白樺の少女』を二度殺すのは、果たして誰なのか――。