あらすじ
地方の役場に勤める景司は、同僚の昇進や友人の高級車、結婚、SNSの旅行投稿、成功者のニュースなどに触れるたび、「でも」と言って距離を取る男だった。「大変やで」「維持費かかるやろ」「自由なくなるし」、その言葉は一見もっともらしいが、その裏には妬みや羨望が潜んでいる。そんな景司も、実際に人と関わり、話を聞き、同じ場に身を置くことで、「でも」の向こう側にある努力や喜び、選択に気づいていく。否定だけでは割り切れない現実を前に、彼の中に少しずつ変化が生まれる。「でも」のあとに続く、小さな「ええな」。それは他人を認める第一歩だった。誰もが抱える本音と建前、その揺らぎをユーモラスに描いた日常の物語。