あらすじ
「君のような不気味な女を王族に迎えるわけにはいかない」——華やかな夜会の中心で、第二王子エドワードは婚約破棄を高らかに宣言した。幽霊が視える『目』を持つリーゼルは、五年間「化け物」「狂人」と蔑まれ続けてきた。だが、彼女に驚きはない。むしろ、ようやく檻から解放される——そう安堵していた。泣き縋ることもなく静かに受け入れるリーゼルに、王子も愛人も嘲笑を浴びせる。誰もが彼女を哀れな敗者だと思っていた。その時、一人の男が声をかける。「貴女の『視える目』について、詳しくお聞きしたい」漆黒の髪に紺碧の瞳。隣国ヴェルデシアの王太子ルシアンは、冷たくも美しい微笑みを浮かべて告げた。「その『目』——我が国では、国宝級の価値がある」切り捨てられた能力は『呪い』ではなく『祝福』だった。貴方が不要と言った私を、彼は誰より必要としてくれる。これは、幽霊が視える少女が本当の居場所と愛を見つけるまでの物語。