あらすじ

調査を生業とする「私」は、古いアパートの管理人から奇妙な依頼を受ける。\nそれは「存在しないはずの三〇七号室を調べてほしい」というものだった。\n実際には三〇六号室までしかないはずの建物。しかし夜になると、確かに「307」と書かれた扉が現れる。中に入ると、そこには人の気配が残る部屋と、一冊のノートがあった。\nノートには、かつてこの部屋に閉じ込められた人物の警告が記されていた。\n「外にいる自分は、もう自分ではない」と――。\n調べを進めるうちに、「私」はその筆者が失踪した作家・神崎玲であることを知る。だが翌日、再び現場を訪れると、307号室は消えており、代わりに廊下には見覚えのない鏡が掛けられていた。\nその鏡には、わずかに遅れて動く“もう一人の自分”が映っていた。\nやがて「私」は、鏡こそが異界への入口であり、部屋の正体が「入れ替わりの場」であることに気づく。鏡の中に入った者は閉じ込められ、その代わりに“何か”が現実世界へと出ていくのだ。\n真相を確かめるため鏡の中へ踏み込んだ「私」は、ついに自分と同じ姿をした存在と対面する。逃れる術もないまま、入れ替わりは成立する。\nそして――\n外の世界には、“私の姿をした何か”が解き放たれる。\nその後も同じアパートでは失踪事件が繰り返され、ノートには新たな警告が残される。\nだがそれを読む者もまた、次の“入れ替わり”へと導かれていくのだった。

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テラーノベル2026/03/20
  • 現在の作品三〇七号室の鏡