あらすじ

祖母の家を改装した一軒家に越してきた美紗は、引っ越しの片付け中に押し入れの奥から古い布人形を見つける。 「MoMoKo」と名付けたのは五歳の娘だった。その名は、美紗が幼い頃に亡き母を呼んだ幼児語に、不気味なほど似ていた。 祖母は人形に触れることを静かに制する。 しかし娘は人形に懐き、やがて夜中に知らない歌を口ずさみ、「MoMoKoが話しかけてくる」と言い始める。 人形はいつの間にか棚から枕元へと移動し、娘の言動には美紗の幼い頃の仕草や、死んだ母の言葉が混じるようになっていく。 押し入れの奥で見つけた古い録音機には、断片的な母の声と子守歌が残されていた。 祖母はようやく語る。母は夜な夜な布を縫い、自らの代わりとなる何かをあの人形に託していたのだと。 やがて深夜、娘が姿を消す。 美紗が追い着いた先の薄暗い部屋に、蓄音機と人形と、鏡があった。 鏡の中の自分の顔は、母の若い頃と重なっていた。 これは愛情か、それとも呪いか。 母から娘へと受け継がれてきたものの正体を、美紗はついに知る。 だが知ることは、救いを意味しなかった。

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小説を読もう2026/03/20
  • 現在の作品MoMoKo