あらすじ

その村は冬の帳村と呼ばれ、外界から遮断されていた。村一帯は雪の壁のようなもので覆われており、触れると死に至る。誰一人として村の外へと出ることは許されないそんな世界で、動植物たちは異様な姿をしていた。魚たちは群れをなして空を飛び、雪が降る日にだけ咲く花や透過する鳥、周りにある木々に擬態するオオカミまでいる。  そんな村で生きる十七歳の少女──新奈は、物心付いた時から孤独な日々を過ごしていた。新奈以外の、その村で生きる人たちは、雪が降ると当日の記憶を無くしてしまうからだった。自分と話したことも、一緒に過ごした時間も、雪が降ると全て忘れられる。そんな孤独な日々を過ごす内に、新奈はそこにあるはずのない白い部屋をみるようになる。  村の中には、この世に生まれてきたことすら親に忘れられてしまった子供達が集められている、妖精たちの庭と呼ばれる児童養護施設があり、新奈は物心付いた頃からその施設で暮らしていた。ある日を境に同じ施設で暮らす新奈の彼女である沙羅、そして友人である湊と共に、施設に対して違和感を抱くようになる。新奈達の胸の中でちいさな芽を出したそれが疑心へと移り変わった時、施設の本当の正体や新奈がみる白い部屋の存在、そしてこの村で起きていた呪いのような現象の秘密が次々と明らかになっていく。

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カクヨム
カクヨム2026/03/20
  • 現在の作品雪忘花