あらすじ
「君みたいな地味な子は、現場の雰囲気を悪くするんだよ」——三年間、人気漫画家・星崎レイカのアシスタントとして働いてきた藤宮澪は、ある日突然クビを宣告される。「あなたの絵には魂がない」と酷評され続け、誰にも認められることなく去った澪。しかし彼女には秘密があった。密かに描き溜めてきた127話分のネーム。それは、誰にも見せたことのない彼女だけの宝物だった。一方、澪が去った漫画スタジオでは異変が起きていた。当たり前のように完成していた背景が描けない。締め切りに間に合わない。崩壊していく連載。そこでようやく気づく——あの「地味なアシスタント」が、どれほどの仕事をしていたのかを。「もう遅いですよ?」澪はもう振り返らない。自分の物語を描くと決めたから。母から受け継いだ才能と、心に秘めた情熱を武器に、彼女は漫画家としての新たな一歩を踏み出す。認めてくれる編集者との出会い、そして運命的な恋。全てを失った場所から始まる、遅咲きの才能が花開くシンデレラストーリー。