あらすじ

マワは、生まれた瞬間から他人の感情が「届く」少女だった。 怒り、悲しみ、喜び、不安——村人すべての感情が、波のように押し寄せる。母の温かさの裏にある不安も、父の無口の奥にある鎧も、全部わかってしまう。わかりすぎて、自分の感情がどこにあるのかわからなくなる。 それでも、マワは人の中で生きることをやめなかった。 スキルを怖がらずに「今、何を感じてる?」と聞いてくれた夫。知っていても、話してくれた友人。泣いた出産の夜、届いた小さな命の温もり。七十七年の一生を通じて、マワはゆっくりと、自分だけの感情を育てていく。 感情を読む力は、呪いか、それとも——。 体言止めと短文が積み重なる静謐な文体で、一人の女性の誕生から臨終までを描いた、全112章の一生譚。

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カクヨム
カクヨム2026/03/20
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