あらすじ
かつて「天才ピアノ少女ミチルちゃん」と呼ばれていた高校一年生、島崎ミチル。
しかし、あるコンクールで最下位になった日から、彼女はピアノを弾けなくなってしまった。
学校では、どこか不安定で浮いた存在のミチルは、
放課後になると河川敷の近くにある古い保育園へ通っている。
―――そこにあるのは、壊れたピアノだった。
やがて彼女は、5歳児のヒロキ、調律師のヤナギ、
クラス委員のトーカや青木センパイと関わることになる。
誰もが「できなくなったこと」を抱えていた。
ミチルは音の出ないピアノに触れ続け、
その音で止まっていた誰かの人生を、静かに動かしていく。