あらすじ
目を失った魔女セピアは、凍てついた大地で、家族を失った少女クレアを抱き寄せた。
「君は、まだ消えてはいけない子だ」
そう囁き、セピアは自分の瞳をクレアに捧げた。
視力を失った魔女と、闇の中で初めて光を得た少女。
クレアはセピアの車椅子を押し、二人は雪の荒野を進む。
手が触れ合うたび、言葉にならない温もりが胸を締めつけた。
この世界は、いつ終わってもおかしくないほどに、冷たく、残酷だった。
それでも二人は、互いを失うことだけは恐れた。
世界を救うためにすべてを捨てるのか、
たった一人の大切な人を守るために世界を終わらせるのか――
愛とは、結局、どちらかを選ぶことなのか。