あらすじ
第三王子アクシスは、十六歳の誕生日に婚約者である侯爵令嬢ララティアから婚約解消を告げられる。王家には「王の血を引く者が順に死ぬ呪い」がかかっており、すでに第一王子と第二王子が命を落としていた。次は自分だと悟ったアクシスは、婚約破棄も当然と受け入れ、すべてを諦めかけていた。
そんな彼の前に現れたのは、呪いの元凶である魔女アウル。彼女は「助かる方法」として、自分と結婚することを条件に提示する。逃げられない永遠の契りという重い条件にもかかわらず、前世で八十二歳まで生きた記憶を持つアクシスは、死ぬくらいならとあっさり受け入れる。そして誓いのキスを交わすと、老婆だった魔女は若い娘の姿へと変わり、互いの呪いは解かれるのだった。
こうしてアクシスは死の運命から逃れ、森の中で魔女アウルと夫婦として暮らし始める。最初は奇妙に思えた生活も、穏やかでどこか懐かしいものとなり、次第に心の距離も縮まっていく。アウルが抱えていた「孤独の呪い」もまた、アクシスとの結婚によって解かれていた。
王子としての立場や過去に未練を残しつつも、アクシスは新たな人生を受け入れ、「スローライフも悪くない」と前向きに生きることを選ぶ。しかしその裏では、王城で彼の生存が問題視され、新たな動きが始まろうとしていた。平穏な結婚生活の裏に、不穏な影が忍び寄っているのだった。