あらすじ
読者の皆様へ
※本作は既存作品のスピンオフ(続編や派生)ではありません。
第4回真白賞のお題「アクシス(軸)」に対し、同じ舞台設定(管理社会の村)を用いて、本賞とコメディ部門の二つの全く異なるベクトルからチャレンジした、完全独立のコメディ作品です。
あらすじ
深い山奥に隔離された「鳴神村(なるかみむら)」
そこは『境界線を越えて電波を絶てば、首から上が物理的に吹き飛ぶ起爆装置』を埋め込まれた者だけが永住を許される、狂気の絶対管理社会(テラリウム)だった。
都会での競争社会と「決断すること」に疲れ果て、クラゲのように生きていた元エリート・水母悠人は、自ら進んでこの村に転がり込んだ。
自分で考えなくていい。怒られたり責任を取ったりする重圧もない。
システム(AI)に点数をつけられ、管理官(手斧使いの男)の監視下で従順に生きてさえいれば一生衣食住が保証されるその環境に、彼は極上のエクスタシーを覚え、嬉々としてシステムの客引きマシーンと化していた。
「他人に管理され、一切の言い訳を許さない『死の制約(爆弾)』。これこそが私の身体を貫く真っ直ぐな鋼鉄の背骨(アクシス)である」
彼は村の入り口で座禅を組み、崇高なる大地のオーラを漂わせる導師を熱演していた――すべては村の集客率(KPI)を上げ、AIからの「Sランク評価」を貰って承認欲求を満たすためだけに。
そこへ、都会のストレスに疲れた一般観光客(日帰りワンデーパス)・佐藤が現れる。
「すごいっ、大地と宇宙のパワーが繋がってる……! 私も先生の弟子になりますっ!」
意識高い系の彼女に「特別スピリチュアル体験(ボッタクリ価格)」を契約させ、営業成績の爆上がりに内心で高笑いする水母。
しかし、頭がお花畑の佐藤は「大自然の宇宙と交信してきます!」と暴走し、勝手に死の境界線《圏外》へと猛ダッシュを始めてしまう。
「おい待てェ! ここで客をロストさせたら、案内中の俺がシステムから大減点(大目玉)を食らうだろうがァッ!」
自由を求めずシステムに従属した男の、脂汗と泥にまみれた哀しくもくだらない【魂の軸(アクシス)の崩壊】を描く、ブラック労働コメディ!