あらすじ
気づいたとき、私は少し透けていた。
家庭の中で誰にも見られず、声も届かず、食事も与えられないまま生きてきた少女・ミオは、存在の輪郭を失いかけたまま異世界へと迷い込む。
そこは、感情が崩壊した人間が「異形」となり、怪物としてさまよう世界だった。
ミオを拾ったのは、異形を狩る騎士。
しかし彼は、感情を持たない。
誰にも依存しない。
そして――感情が芽生えた瞬間、処分される運命を背負っている。
けれど、不思議なことに。
彼のそばにいると、ミオの“消えかけた存在”は、はっきりと輪郭を取り戻していく。
触れられない距離。
言葉にならない関係。
それでも少しずつ、
凍っていたものが、ほどけていく。
これは、
消えかけた少女と、
感情を持てない騎士が、
互いの存在によって、
少しずつ“生きること”を取り戻していく物語。