あらすじ
洗車専門店で働く若手スタッフの俺は、羽振りのいい常連客が手に入れた一台の旧車を担当することになる。
だが、その車を見た同僚の女性は「近づきたくない」と顔をしかめ、作業に入った俺の身にも、何もない場所で手を切るなど妙なことが続きはじめる。
持ち主はどこか楽しげで、車にまつわる違和感も笑い飛ばしていた。
けれど、店でいちばん古株の同僚だけは、あの車を見て何かを知っているような口ぶりを見せる。
中古車には、前の持ち主の癖や時間だけでは済まないものが残ることがある――。
理不尽で、説明がつかず、ただ静かに人を選ぶ“何か”を描く、洗車店員の実話めいた洒落怖。