あらすじ
雪の朝、白い世界に刻まれた小さな足跡。
それはまるで、どこまでも続く“葬列”のようだった。
雪乃とハクト。
静かに交わされる言葉と、どこか噛み合わない沈黙。
やがて訪れる、唐突な別れ――交通事故による死。
だが、その出来事を境に、ハクトの周囲で“違和感”が増殖していく。
消えない足跡。溢れ続ける水。戻らない記憶。
そして、繰り返される言葉。
「逃げてもさ、全部は消せないよね」
断片的に蘇る、あの夜の光景。
手の中の指輪。
雪に残された、不自然な痕跡。
やがて明らかになるのは、“事故”の裏に隠されたもう一つの可能性だった。
白はすべてを覆い隠す。
けれど、完全には消せない。
静寂の中に沈む罪と記憶が、やがて現実を侵食していくとき――
その足跡は、どこへ続いているのか。
これは、消せなかった痕跡に追い詰められていく、一人の男の物語。