あらすじ
だめだって、最初からわかっていた。
動くはずのない人形が動くなんて、
そんなの、間違っているに決まってる。
見間違いだと切り捨てようとした。
距離も取った。関わらないようにもした。
それなのに――
気づけば、また見ている。
触れて、確かめて、
何度も同じことを繰り返してしまう。
ただの作品のはずなのに。
心なんて、あるはずがないのに。
それでも、離れられなかった。
おかしいと理解しているのに、
どうしても、止められなかった。
気づいたときにはもう、
戻れないところまで、
はまり込んでいた。
――それが何かだって、
もう、わかっていたのに。