あらすじ
「君との婚約は破棄する!」そう言われるのを待っていた私は、夜会の翌朝には準備済みの書類と資産を持って隣国アルフェリアへ渡りました。祖国では名前の出ない雑務ばかり押しつけられていたのに、隣国では台帳整理も軍需品横流しの穴も次々拾えてしまい、冷酷と噂の皇帝陛下だけが最初からその価値を見抜いています。今さら祖国が呼び戻してきてももう遅い。不要扱いされた国ではなく、必要な人材として席を用意する隣国で生きていきます。しかもその席は暫定では終わらないらしく、皇帝陛下はどうやら私を手放す気がないようです。婚約破棄は不幸の始まりどころか、私にとってはやっと正しい場所へ移る合図でした。捨てられたはずの令嬢が、隣国で最上位の庇護と評価を手に入れる再出発譚です。今度こそ、不要ではなく必要な人材として扱われます。