あらすじ
ブラック企業で過労死し、異世界へ転生した青年・カイト。
神からランダムに押し付けられた称号は、よりによって最弱で忌み嫌われる【盗賊】だった。
冒険者ギルドからは門前払いされ、街でも冷たい目を向けられる日々。
しかし、彼の真の実力は「気配遮断」「超速移動」などの盗賊スキルを極限まで応用した、いかなる攻撃も躱しきる【完全回避(全避け)】にあった。
ある夜、カイトは王城の中庭でひとりの少女と出会う。
彼女の名前はリーゼロッテ。誰からも「ワガママで出来損ないの第二王女」と見下されている彼女が、完璧すぎる姉・第一王女の影で、血の滲むような努力をたった一人で続けていることをカイトだけが知ってしまう。
「やめたふりをしながら、夜中に剣を振ってる。それって一番カッコいい頑張り方だと思うけど」
誰にも認められなかった努力を肯定されたリーゼロッテと、誰からも期待されない盗賊のカイト。
肩書きだけで人を判断する世界で、二人は奇妙な師弟関係を結ぶ。
これは、決して攻撃しない【無敵の盗賊】が、不器用な【王女】の流した涙を拭い、彼女を最高の女王へと押し上げるまでの、偽りの称号と真実の絆の物語。