あらすじ
「ルシアナ様はヒロインを虐め、攻略対象を奪う悪役令嬢です!」学院中でそう断罪されていた私は、温室の鍵も寄付帳簿も舞踏会の通路も、壊れそうな盤面を黙って整えていただけでした。
ところが舞踏会で記録と手際が一気に裏返り、白い目を向けていた攻略対象たちは沈黙。それでも私は勝ち誇ることなく、次の混乱を片づけるだけです。そんな騒ぎの外で最初から私を見ていた騎士団長が、ある日家へ正式な婚約の使者を寄越してきます。
悪役令嬢扱いされていたのは、どうやら盤面を見られない人たちの方だったようです。
可愛げではなく判断力を見て選ばれるなんて思っていませんでしたが、攻略対象の外にいたその人だけは、温室の件も舞踏会の件も、最初から私の仕事を見誤らなかったのでした。