あらすじ

不動産会社で契約書類の確認を担当する川名真緒は、ある賃貸物件の記録に奇妙な共通点を見つける。 その部屋は事故物件として毎回「告知済み」と記録されているのに、肝心の説明内容だけがどこにも残っていない。しかも歴代の退去者は皆、備考欄に同じ一文を残していた。 ――私は聞きました。 録音データを再生しても、説明箇所だけが不自然に抜け落ちる。担当者たちは「説明した」ことは覚えているのに、その中身だけを思い出せない。調査を進めた真緒は、その部屋の恐ろしさが幽霊や怪音ではなく、そこで語られた説明だけが記録にも記憶にも残らないことにあると知る。 事故の過去、消える説明、黙る関係者たち。 真緒は真相を残すため、自らその部屋の正式な説明を受けることを決意する。だが録音に残っていたのは、知らないはずの、そして確かに自分の声だった。 「聞いたら、住めなくなる。住んだら、出られなくなる」

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小説を読もう2026/03/19
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