あらすじ
聖女リリアは、王都から追い出された。
その日、誰も泣かなかった。
誰も引き留めなかった。
「地味な聖女」など、いなくなっても困らないと、
誰もが思っていたからだ。
けれど――彼女が去った日から、
世界は少しずつ、確実に歪み始めた。
噴水は止まり、
奇跡は色を失い、
神獣は眠りにつく。
まるで、世界から“誰かの手”が離れたかのように。
当のリリアは、禁域の森の奥で紅茶を淹れながら、静かに息をついた。
「……清々しい決別ですわ」
これは、自分を捨てた世界と決別し
真の平穏を勝ち取る、聖女リリアの物語。