あらすじ
【絶望的ホワイト労働】時給2000円で宇宙の留守番バイトに行ったら、俺の命より「7億円の肝臓」の方が大事にされた件。〜AIに「コスパが悪い」と見捨てられた底辺学生たち、真空の密室で資本主義の真理を悟る〜
奨学金の返済に苦しむ文学部三年生の神岡は、大学の掲示板で見つけた怪しい求人チラシに釣られて宇宙へ飛んだ。
業務内容は「無重力環境での簡単な監視業務」。時給はたったの2000円。
共にやってきたのは、宇宙空間に密造酒を持ち込む留年法学部生・横谷と、常に自分の脈を測っている病気不安症の経済学部生・蒼柴。
彼らがたどり着いた軌道上プラント〈第4ナーセリー〉は、地球の富裕層向けに「バイオ臓器」を育成する無人工場だった。
暇を持て余した三人が軽い気持ちで管理端末をハッキングすると、そこには衝撃の事実が記録されていた。
目の前のタンクに浮かぶ肝臓は7億円。心臓は10億5千万円。
「俺たち三人を解体して売っても、このタンク一個分に届かない……」
己の命の値段が中古の軽自動車以下であることを悟り、圧倒的な資本主義の暴力に打ちのめされる三人。
しかし、そんな気楽で底辺な宇宙バイトは、施設へのデブリ(宇宙ゴミ)衝突によって終わりを告げる。
外壁の亀裂から酸素が漏れ出す中、管理AIが下した決断は「非登録資産(=アルバイト学生)を切り捨て、数十億円の臓器を全力で保護する」という極めて合理的で残酷なものだった――。
「俺たち、この臓器たちのおまけの標本になるわけだ」
逃げ場のない真空の密室。
宇宙規模の青春無駄遣いSFブラックコメディ!