あらすじ

三年間、夫はわたしに一度も触れなかった。 指先すら。 理由を聞きたかった。 でも「愛していないから」と返されるのが怖くて、聞けなかった。 白い結婚と周囲に嘲られても、黙って暮らした。 聖女に「触れたくないのですよ」と面と向かって言われた日も、夫は何も否定しなかった。 ある冬の日、戦死の報せが届く。 遺品は、革表紙の日記帳が一冊だけだった。 震える手でページを開くと、そこには夫の字で「触れたい」と繰り返し書かれていた。 髪に触れたかった日のこと。 手を握りたかった夜のこと。 三年分の言えなかった言葉が、全部そこにあった。 なぜ触れられなかったのか。 その答えは、日記の最後のページに書かれている。 ただしそれは、夫の筆跡ではなかった。

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小説を読もう2026/02/26
  • 現在の作品白い結婚と呼ばれた三年間のすべてを、夫の日記で知った