あらすじ
見知らぬ世界に落とされた青年は、半年ものあいだ孤独と恐怖に耐えながら生き延びてきた。
星座はひとつも知らず、言葉も通じない。
それでも「帰る方法」を探し続けていた。
ある夜、親切を装う紳士ハミルに誘われ、青年は“この世界の酒”に希望を見いだす。
――だが、それは罠だった。
連れ込まれた地下には、鉄格子の檻と、蠢く異形。
滅びた種族の末裔・エルアド。
そして、冷徹な言葉で青年の幻想を切り裂く少女。
「君は何も選ばなかった。だから悪人に負けたんだ」
逃げ場のない闇の中で、青年は初めて自分の弱さと向き合う。
空想にすがり、現実から目を背け続けた代償――それが“選別”だった。
やがて、戦争の影が迫り、囚われた者たちはそれぞれの価値を試されていく。
青年は問われる。
自分はどちら側の人間なのか。
何を選び、何を捨て、何を掴むのか。
異邦の地で、青年の“現実”が動き出す。