あらすじ
三重県尾鷲市。日本一雨の多い、漁師と林業の小さな町。
ここでは男は地元に就職し、県外へ出るものは
「町を捨てた人間」と呼ばれる。
高校を卒業した浜田悠斗は、なんとなく地元の
水産会社に就職するも、遅刻と勤務態度の悪さで
半年も経たずに退職。
「俺はこの町で終わる男じゃない」と捨て台詞を残し、
大阪へ飛び出す。
しかし大阪で待っていたのは、
根拠のない自信を打ち砕く現実だった。
南堀江の小さなBARで働きながら出会った人々――
お酒で体を壊した営業部長、薬に命を救われた老紳士、
夢のために昼も夜も勉強し続ける受験生。
彼らとの出会いが、悠斗に一つの夢を芽生えさせた。
「地元のじいちゃんばあちゃんの役に立ちたい。
薬剤師になりたい」
流されて、はじかれて、それでも前を向いた男が、
九年かけて辿り着いた場所とは――。
田舎の漁師街から始まった、一人の青年の自分探しの物語。
全3部・完結済み。