あらすじ
誰にも言えない秘密がある。170センチの私が、二十年間ずっと、底の平らな靴しか履かない本当の理由。
二十年前、深夜のコンビニ事務所。
私は、父の期待に応える「良い娘」を演じるだけの、空っぽな日々を過ごしていた。
唯一の贅沢は、一歳下の後輩・佐々木くんの前で吸う、ラークの煙。
「僕より、6センチも低いんだから。デカくなんてないですよ」
176センチある彼のその言葉だけが、コンプレックスだらけの私を「一人の女」に変えてくれた。
防犯カメラの死角で交わした、ラークの味がする一度きりのキス。
けれど、臆病な私は彼を捨て、親の望むままの結婚を選んだ。
――二十年後。
再会した彼は、かつての面影を残しながらも、冷徹なまでに自信に満ちた大人の男になっていた。
私の左手薬指に光るプラチナの輪を見つめ、彼は低く囁く。
「その指輪、似合ってないですよ。……僕が、あなたを本当の居場所に戻してあげる」
今の私を縛る「平穏な結婚」という名の鎖を、彼は執拗に、優しく、一つずつ解いていく。
かつての初恋は、二十年の時を経て、抗えない「背徳」という名の毒に変わった。
176センチの彼に、心も身体も、20年かけて堕とされていく。
高身長の孤独な人妻と、執着するかつての少年。一生に一度の、狂おしいほどの再愛物語。