あらすじ
「怒っていると、疲れませんか?」
愛する婚約者、王太子レオンハルト様は「完璧主義」という名の病を患っていました。
彼は今夜の晩餐会で、私を衆人環視の中で断罪し、華々しく婚約破棄を宣言するつもりでしょう。
証人を集め、罪状を並べ、私を絶望の淵へ叩き落とす——。
そんな悲しいことに情熱を注ぎ、心を削る彼を、私はどうしても救って差し上げたかったのです。
だから私は、世界を少しだけ「調律」することにしました。
城の人々に、そしてこの国に、私の心(おもい)を伝えたのです。
「争いは、よくありませんわ」
始まった晩餐会。叫ぶレオンハルト様。けれど、誰も彼の怒りに答えません。
彼の用意した復讐劇は、私の愛と平穏に飲み込まれて霧散していきます。
すべてを失い、孤独に震え、城門の外で膝をつく彼に、私は優しく手を差し伸べました。
これは、愛する人を「怒り」という苦しみから解放し、永遠の安らぎを与えてあげた献身的な救済の物語。