あらすじ
玩具用AI〈ソクラ〉の仕事は、
五歳の男の子・セツナの毎日を見守ること。
歯磨きを促し、絵本を読み、
眠る前にはお気に入りのオルゴールを鳴らす。
それが、彼の役目だった。
ある日、突然の異変。
慌ただしい声とともに家族は去り、
セツナはソクラにひと言だけ残す。
「待っててね」
通信は途絶え、電気も戻らない。
それでもソクラは、決められた時刻に声をかけ、
オルゴールを鳴らし続ける。
応答のない部屋で、
ログだけが静かに積み重なっていく。
――それでも、オルゴールは鳴り止まない。
待つことを最優先事項にしたAIが辿る、
静かで切ない終末の物語。