あらすじ
その男、最強にして最悪のろくでなし。
ライナル王国北方の最前線、鉄と血の匂いが漂う街スターレ。 石畳の上で全裸で転がり、美姫のサラシをうっかり引き剥がしては拳を食らう金髪の巨漢――ガルハート。 賭場を追い出されたただの酔いどれと侮るなかれ。 彼こそは、かつて木刀一本で戦場を更地にし、全軍を震え上がらせた伝説の《金の傭兵王》その人であった。
隠居を決め込み「寝っぱなしの獅子」を気取る彼を動かしたのは、色街の片隅で出会った老婆との、一宿一飯の義理。 五年前に消えた老婆の息子を連れ戻すため、獅子は再び、黒い雨が降る地獄の戦場へと足を踏み入れる。
「恩義は忘れねぇ。一宿一飯の義理は、俺の股間の息子より硬いんでな」
たとえ相手が腐敗した国家であろうと、五年の歳月が流れた絶望的な結末であろうと、ガルハートはガハハと笑い、沸騰する憤怒を拳に込める。 これは、孤独な老婆に「ひまわり色の嘘」を捧げた、残酷で優しい王の進撃劇。
最強のろくでなしによる、義理と人情のファンタジー、ここに開幕!