あらすじ

世界の法則を三十年かけて追い続けてきた、一人の理系博士。 彼の武器は、完璧な数式だった。宇宙を記述し、現象を予測し、自分自身すら「データ」として扱ってきた。感情はノイズ、言葉は補助、世界は方程式。そう信じて疑わなかった。 ある冬の朝、博士は研究室で異常に気づく。 ノートから、数式が消えていたのだ。インクも、鉛筆の跡も、消しゴムの痕もない。ただ、数式という概念そのものが、彼の頭から欠落していた。記号の意味が分からない。「=」が何をつなぎ、「∑」が何を集めていたのかさえ思い出せない。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/02/25
  • 現在の作品数式を忘れた博士 ― 理系脳が失くした「感情」の方程式 ―