あらすじ

国立前期二次試験の日。 僕が受けるのは、長崎大学医学部医学科。 後期はない。他大学も受けていない。僕には、ここしかない。 中学二年の冬、父は命の危機に陥った。嵐の夜、受け入れてくれたのが長崎大学病院だった。「ここは長崎の最後の砦です」という医師の言葉とともに、父は生き延びた。 あの日から、僕の進路は決まっている。 医者になりたいのではない。長崎大学病院で働きたい。長崎を守りたい。それだけだ。 模試E判定。重い学費の現実。父の通院。 それでも「ここしかない」と思い続けて迎えた本番。 やれるだけのことはやった。 だが、自己採点は微妙。合否は、わからない。 発表前夜、掲示板に並ぶ受験番号を探す自分の姿が頭をよぎる。 もし、そこに自分の番号がなかったら? 長崎に届かなかったら? 「長崎に行けなきゃ終わる」と思ってきた僕は、その先に進めるのか。 そして迎える、掲示板での合格発表。 人をかき分け、白い紙に並ぶ黒い数字を追う。 果たして、僕の番号はあるのか。 これは、一つの受験の物語であり、 救われた命の続きをつなごうとする、静かな決意の物語。

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小説を読もう2026/02/25
  • 現在の作品何がなんでも長崎大学医学部に行きたい―父を救った病院を目指した受験の物語―