あらすじ
責任を負わず、ストレスのない人生こそ最高だと信じて生きてきた三十六歳の景司。定職に就かず、重くなりそうになれば職を変える流木のような日々を送っていた。だが商店街の八百屋での短期アルバイトをきっかけに、思いがけず店を任されることになる。失敗、赤字、不安。逃げたくなる夜を越える中で、彼は“重さには温度がある”と知る。すべてを背負う覚悟はない。それでも何も背負わない空虚さにも気づいてしまった。やがて店を半分任され、大型スーパー出店という危機にも向き合う景司。軽さと責任のあいだで揺れながら、彼は「少しだけ背負う」生き方を選ぶ。重さを知ったからこそ辿り着いた、軽やかな人生の物語。