あらすじ
空は、これ以上ないほど澄んでいた。
巨大な白いアーチ――それが「異界門」と呼ばれるものだった。
五十年前、何の前触れもなく空間を裂いて現れた異世界への通路。現実世界と魔法世界を繋ぐ唯一の橋。
今日は、その歴史的な節目の日だった。
「すごいね、リナ」
父が優しく言う。
「うん……大きい……」
十歳のリナは、両親に手を引かれながら人混みの中で背伸びをした。
門は、太陽の光を受けて淡く輝いている。水面のように揺らぐ中心部は、向こう側の世界へと続いていた。
魔法世界との交流は、最初は慎重だった。
使者の派遣。言語の研究。文化の紹介。技術の交換。
そして今日、ついに――
「一般渡航の正式解禁!」