あらすじ
「猫ごと、君を連れ去る」――180日の壁に挑む、若き社長の重すぎる愛
【あらすじ】
台北の猫カフェで「無能」「透明人間」と罵られ、悪徳マネージャーの罵声に耐えながら泥を這うように生きていた萌依(モンイー)。獣医への夢を断たれた彼女の孤独な夜を支えていたのは、三匹の「騎士」という名の愛猫たちだけだった。
絶望の淵にいた彼女を救い出したのは、京都から視察に訪れた若き空間デザイン事務所社長・松原悠介。
「僕が、君と猫たちの父親になる」
その言葉通り、彼は彼女たちを日本へ、京都に特注した「猫のお城」へと招待する。しかし、二人の前に立ち塞がったのは、日本への渡航を阻む【180日間の検疫】という、あまりに高く過酷な国境の壁だった。
離ればなれのまま挑む、半年間の戦い。悠介はエリートのプライドを捨てて泥臭く奔走し、萌依は愛する家族を守るために異国の言葉を武器に変えていく。
だが、旅路の果てに萌依を待ち受けていたのは、あまりに非情な宣告だった。
心臓を病んだ老猫・多多(ドゥオドゥオ)にとって、空路は「空飛ぶ棺桶」になるというのだ。
「自分の幸せか、あの子の命か――」
一番愛しているからこそ、その手を離さなければならない。萌依が涙で下した「究極の選択」と、痛切なまでの母性。その決断の先に、大人の女性読者はティッシュの山を作って号泣する。
そして、覚醒した彼女は、自分を笑い、虐げてきた職場の人間たちへ、磨き続けた日本語で最高に痛快な「反撃」を叩きつける!
ただ守られるだけの自分を卒業し、愛する存在のために「盾」となる。
三千キロの海を越え、辿り着いた陽だまりで、二人が見つける「本当の家族」の形。
これは、猫を愛するすべての人に贈る、愛と再生の溺愛ラブストーリー。
【登場人物紹介】
*萌依(モンイー)
台北の猫カフェ店員。圧倒的な専門知識を持ちながら、自信を喪失していた。猫たちの命を背負い、異国の言葉を武器に戦う一人の「母」として強靭に成長していく。
*松原悠介(まつばら ゆうすけ)
京都の若き経営者。クールな完璧主義者だが、萌依と猫たちには「重すぎる愛」を注ぐ。彼女たちのために最高の「城」を設計し、自ら泥を被ることも厭わないハイスペック男子。
*多多(ドゥオドゥオ)
萌依が8歳の時から共に歩んできた、17歳の老猫。萌依にとって魂の伴侶であり家族の長。彼との「涙の別れ」が、物語最大の感涙ポイントとなる。
*陳(チェン)マネージャー
猫を金儲けの道具としか見ない萌依の上司。成功へと歩み始める萌依を執拗に追い詰めるが、最後には最高にスカッとする「ざまぁ」の鉄槌を下される。