あらすじ
「やあ、魔王。早速で悪いが、死んでくれるかい?」
魔王城の最奥に響いたのは、可憐な少女の事務的な宣告だった。
勇者の血脈に生まれ、三歳で測定器を爆発させるほどの魔力を見せた天才・エルカ。しかし彼女を動かしていたのは、正義感でも使命感でもなく、凄まじいまでの安眠への渇望だった。
過酷な英才教育に嫌気がさした彼女は、一秒でも早く布団に入るため、あらゆる魔法と剣技を最短・最速・最大効率へと削ぎ落としていく。
仲間との絆は連携ミスの原因として切り捨て、魔王軍の四天王退勤前の雑務として処理。彼女の目標はただ一つ――魔王を速攻で仕留め、莫大な報奨金と領地を手に入れ、誰にも邪魔されない完全無欠の隠居生活を勝ち取ること。
だが、魔王を討ち取った彼女の前に、世界のシステムを管理する神の軍勢が現れる。
「これ以上、私の睡眠時間を奪うなら――神様だって、リセットしてあげる」
これは、世界一働きたくない少女が、静かな昼寝のために世界を救い尽くす、圧倒的合理主義の英雄譚。