あらすじ
夏休み最後の夜、
雨に濡れた旧校舎の鍵を握りしめて、
俺は彼女と再会した。
高校三年の神崎蓮は、
2年前の登山事故で3日間の記憶を失っていた。
以来、どこか心にぽっかり穴が空いたままの日々を送っていた。
そんなある日、同じクラスの霧島葵から奇妙な誘いを受ける。
「神崎くん、私の見た夢……本当のことかもしれない。
一緒に確かめに行かない?」
彼女の夢の内容は、雨の旧校舎で二人きりになり、
びしょ濡れの制服で抱き合い、熱いキスを交わすというもの。
そんな記憶などないはずなのに、なぜか胸がざわつく。
懐中電灯片手に忍び込んだ旧校舎で、停電と激しい雨。
暗闇の中で葵の体温を感じ、
透けたブラウス越しに柔らかな曲線に触れ、
我慢できずに唇を重ねてしまった瞬間——
古い日記と鍵が、2年前の「忘れられた真実」を暴き出す。
俺たちは本当に、あの雨の日に恋をしていたのか?
それとも、これは誰かが仕組んだ残酷な幻か?
甘酸っぱい青春と、胸を締め付けるミステリー。
雨が降るたびに蘇る、溶けかけた記憶の欠片。