あらすじ

嘘の証言ひとつで人生が壊れることを彼女は知っている。 前の人生でも今の人生でも。 学園の大広間で婚約者と王子に断罪されたセシリアの頭に突然流れ込んだのは企業の危機管理広報として生きた前世の記憶だった。 泣いて縋るはずの悪役令嬢が記者会見のように冷静に事実確認を求めたとき断罪の空気は一瞬で揺らいだ。 しかしセシリアが見抜いたのは元婚約者の目的が心変わりなどではないという違和感だった。 あの断罪には裏がある。 王都を追われたセシリアが送り込まれた先は北の辺境。 冷血公と恐れられ誰もが顔を見て逃げ出す領主との契約結婚。 けれどその怖い顔の奥にあったのは笑い方を忘れたまま誰にも伝わらない誠実さだった。 彼の価値を正しく世界に届けることがわたくしの仕事。 前世で関わった炎上案件のように事実だけを武器に積み上げていく。 広報の力は噂より静かに深く届く。 偽りの聖女が流した涙の裏にある矛盾にも証拠と日付は嘘をつかない。 ただひとつ想定外だったのは仕事のはずだった契約結婚の相手が黙って差し出す手袋や夜中に足した暖炉の薪で胸の奥を揺らしてくることだった。 彼女が最後に届けるリリースの宛先はこの世界のすべてか。 それともたった一人の不器用な人か。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/02/24
  • 現在の作品私が悪役? なら全力で炎上を鎮火いたします