あらすじ

栃木県の山奥に、誰も走れない道がある。  標高千七百メートルの稜線を縦走する、全長五十一キロの山岳道路。自衛隊員が命をかけて削り、延べ七万人が汗をかいた。しかし一九八二年、建設は凍結された。それから四十四年、道は一度も開通しないまま、草に覆われていった。  二〇二六年、その道がついに正式な廃道手続きへと入る。  この物語は、その道と共に生きた人々の、六十年の群像劇だ。  道路の完成を信じて夢見た県職員。  稜線で涙した若き自衛隊員。  旅館の娘として生まれ、道を待ちながら、道を忘れて、道を愛した女将。  深夜の峠を走り続けた走り屋。  誰にも理解されなくても廃道を撮り続けたライター。  誰一人、思い通りの人生を送っていない。  しかし——道が完成しなかったからこそ、旅館は生き残り、走り屋は命を落とさず、ライターは使命を見つけた。  人生は、わからないからこそ、面白い。

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カクヨム
カクヨム2026/02/23
  • 現在の作品【短編小説】天空の轍 ~誰も走れなかった道で~(約18,000字)